howdoyoufeel

好きな人と 好きな場所で 好きな服で 好きな声で

透明な日々

あの日のこと覚えてる? の口角が眩しくてついあれ、なんだっけ? 今晩は遅くなります(寄り寄り寄り寄り)寄り道をして帰ります 何ケーキかわからないのに「ケーキ」って響きで喜ぶ姿を思う 夕日に背を向けて並ぶ歩道橋 いつも影だけすくすく育つ たぶんま…

ゆうべのふたり

ゆうべのふたりは どこかやわらかく とりとめもなく ケイトウの触り心地に甘えて すべりおちてゆく こわくはないから たっぷりと見つめあって レコードと花梨色の灯りで 遠くのあの日を忘れてしまう たとえばいずれ ひとつひとつの 形はなくなっても 思いは…

うたうきみ

さらさらと なびくかぜ たおやかに ゆれるかみ うっとりと こゆびたて あまつさえ うたうきみ やみのなか なみのなか はうように ぬうように てんとちも さかさまの みにくさで うたうきみ せいれつな みずうみの まんなかで いきをする ぴんとはる くうきだ…

傷口の消毒で触れたきみの足指のやわさを忘れずにいる

短い歌と書いて短歌と読む。 岡野大嗣に出会って短歌にはまったことを父に話したら「むかし短歌にのめり込んでいたことがある」と言われた。大学時代に強化合宿なるものに参加し、仲間と批評し合いながら言葉を紡いできたと語る父は、はじめて見る顔をしてい…

バスキンロビンス行こうか か、カシス す? スープ プライス 相撲 ウグイス スイカ カレーライス スライス スクールバス スリランカ行きたいです スリジャヤワルダナプラコッテわかります? スリランカの首都です 素晴らしい今度一緒に行きましょうす

金曜日の夜

金曜日の夜 どこにも繰り出さずに ヴォリュームを絞ったアンビエントをかけながら 積んでおいた本を、愉しく読む つめたくて気持ちがいい 深海の栞をはさみながら だれにも知られずに 夜をすり抜けてゆく

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つやつやしたブローチを 大事そうに握って 光の方へ駆けていったあの子 いちばんに溶けるにおいは 星の砂と一緒に閉じ込めたから もうだれのものでもないよ 綺羅星のはじっこに触れられそうな 夜と明け方のあわいに 心がすこしだけ浮いたなら 忘れることない…

家路

帰りたいのに 帰りたくない あの夕焼けが ぼくを染める 帰りたいのに 帰りたくない 流れる音楽を 止めたくない 帰りたいのに 帰りたくない ご飯の匂いは 泣いてしまう 帰りたいのに 帰りたくない いまこのとき 忘れたくない

なつめくん

なつめくん いっつもクリーム色のトレーナーを着ているね なつめくん コーラとポテトばっかり食べるのにガリガリね なつめくん 突然口づけをしたあと「うるせー」はないでしょう なつめくん タバコの吸いすぎはよくないからね なつめくん なつめくん どうし…

T・T・T

たっぷり・ティー・タイム たっぷりの紅茶には お砂糖はほんのすこし レモンをひとしぼり それだけでいいの 銘柄は気にしないわ あとはおしゃべりが おいしくさせてくれるものね

ボンボンのケーキ

無性に憧れるものに、ボンボンのケーキがある。 ボンボンのケーキとは、名古屋にある『ボンボン 喫茶部』という昔ながらの喫茶店で出しているケーキのことだ。 なぜボンボンのケーキがいいかというと、理由は2つだ。 まず1つ。なんと言っても、種類が桁違い…

花屋

とくに理由はないけれど 自分に花をあげたくなった しかし駅前の色鮮やかなあそこでは なんとなく買いづらそうで気が引ける 帰り道にそんなことを考えていたら たまにふらっと立ち寄る喫茶店のとなりに 花屋があったことを思い出した スピッツの恋のはじまり…

ブレイクタイム・ラプソディ

コーヒーを淹れているあいだの4分間 若葉色の風を想いながら なめらかな言葉を発しながら あなたのことは考えないでいる コーヒーを飲んでいるあいだの10分間 凍てつくつめたい風を感じながら やさしい歌なんてひとつも歌えずに あなたのことを考えている 14…

きみ

約束しなくても きみのいるところなんて すぐわかる 肌で感じる そしてすぐ見つけてしまう ストーキングしていると思われないように 気づかないふりをする あたかも偶然を装って 近くに詰め寄る きみはわたしのこんな一連の動作など一切気づかずに目の前のこ…

忘れていたのはこんなこと?

朝の澄んだ空気 家の廊下のにおい 帰り道ですれ違う灯油販売の車 16時30分のあわいピンク色の空 夕暮れに染まるバイバイの声 しなしなの落ち葉たち ショッピングビルの前にそびえ立つ大きなクリスマスツリー どことなくさみしげなスーツの背中 この時期に聴…

春の匂い

春の匂いがすき 君が言った春の日 入学式の日の匂いだったり 夜桜を見る前のうすぐらい夕方の匂いだったり あなたの背中の匂いだったり するんだよ 君が言った春の日 僕には 春の匂いがわからない それは今でもわからない 近所の春ちゃんに聞いてみるか そん…

夕列車で行こう

夏の夕方 電車に乗って帰る ボックス席の通路側に座る となりの人を気にしつつ 空をみる ちょうど暗くなってくる頃 電車の蛍光灯の方が 空のあかるさよりも強く 外をみているのに となりの人と窓越しに目が合う 互いに若干の気まずさが生まれる スマートフォ…