howdoyoufeel

好きな人と 好きな場所で 好きな服で 好きな声で

透明な日々

あの日のこと覚えてる? の口角が眩しくてついあれ、なんだっけ?

 

今晩は遅くなります(寄り寄り寄り寄り)寄り道をして帰ります

 

何ケーキかわからないのに「ケーキ」って響きで喜ぶ姿を思う

 

夕日に背を向けて並ぶ歩道橋 いつも影だけすくすく育つ

 

たぶんまた普通に会えてもひとりだけスノードームに舞った雪片

 

こっそりと鼻先とか前髪とかを触ってこころのさざなみひかる

 

なんだっけ? の言葉を聞きたくってつい同じ質問しちゃうの、知ってる?

 

ゆうべのふたり

ゆうべのふたりは

どこかやわらかく

とりとめもなく

ケイトウの触り心地に甘えて

すべりおちてゆく

こわくはないから

たっぷりと見つめあって

レコードと花梨色の灯りで

遠くのあの日を忘れてしまう

たとえばいずれ

ひとつひとつの

形はなくなっても

思いは月が持っていく

光はすべてを抱きとめる

かなしみにはレモネードを

夢と現実のあわいで待ち合わせて

ゆうべのふたりは

どこかやわらかく

きれいなグラスの色さえ

届かぬほど満ちてゆく

うたうきみ

さらさらと

なびくかぜ

たおやかに

ゆれるかみ

うっとりと

こゆびたて

あまつさえ

うたうきみ

 

やみのなか

なみのなか

はうように

ぬうように

てんとちも

さかさまの

みにくさで

うたうきみ

 

せいれつな

みずうみの

まんなかで

いきをする

ぴんとはる

くうきだけ

ともだちの

うたうきみ

 

とけだして

どこへでも

いけぬなら

ここでただ

つらぬけよ

きりさいて

うたうきみ

うたうきみ

傷口の消毒で触れたきみの足指のやわさを忘れずにいる

 

短い歌と書いて短歌と読む。

 

岡野大嗣に出会って短歌にはまったことを父に話したら「むかし短歌にのめり込んでいたことがある」と言われた。大学時代に強化合宿なるものに参加し、仲間と批評し合いながら言葉を紡いできたと語る父は、はじめて見る顔をしていた。そんな父が昔詠んだものをひっぱり出してきたので見てみると、なんだか緑の風が吹いてくるようで、知らない父の知らない日々にすこし触れられたような気がした。

 

そんな父の短歌に体があつくなってきたわたしは気づくと机に向かっていた。しかしぽろぽろ言葉をこぼすことはできても、定型にはめ込む経験は乏しく、ときめくような言の葉は落ちてくる兆しもない。そんななかでどうにか頭を回転させて一応の「短歌」なるものを編み出した結果がタイトルの言葉である。

 

世の中の歌人への尊敬の念を抱かずにはいられない。

バスキンロビンス行こうか

 

か、カシス

 

す? スープ

 

プライス

 

相撲

 

ウグイス

 

イカ

 

カレーライス

 

スライス

 

スクールバス

 

スリランカ行きたいです

 

スリジャヤワルダナプラコッテわかります?

 

スリランカの首都です

 

素晴らしい今度一緒に行きましょうす

金曜日の夜

金曜日の夜

 

どこにも繰り出さずに

ヴォリュームを絞ったアンビエントをかけながら

積んでおいた本を、愉しく読む

 

つめたくて気持ちがいい

深海の栞をはさみながら

 

だれにも知られずに

夜をすり抜けてゆく

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つやつやしたブローチを

大事そうに握って

光の方へ駆けていったあの子

 

いちばんに溶けるにおいは

星の砂と一緒に閉じ込めたから

もうだれのものでもないよ

 

綺羅星のはじっこに触れられそうな

夜と明け方のあわいに

心がすこしだけ浮いたなら

 

忘れることないよと

言っていたあの子の顔を

忘れて 朝になる準備体操をする