きみ
約束しなくても
きみのいるところなんて
すぐわかる
肌で感じる
そしてすぐ見つけてしまう
ストーキングしていると思われないように
気づかないふりをする
あたかも偶然を装って
近くに詰め寄る
きみはわたしのこんな一連の動作など一切気づかずに目の前のことに夢中だ
そんな姿がすきだ
そしてわたしに気づいたとたん
人目もはばからずに
ぎゅうっと抱きしめる(きみが、だ)
会えたねー!と子供みたいに瞳を輝かせて
どうしてそんなにまっすぐ
わたしを見つめるのだろう
心臓に穴が開いてしまいそうだ
きみには敵わないんだ
あまりにまっすぐで全力で愛を惜しみなく注ぐことのできるきみには敵わないんだ
そんなきみのことが すきを超えたすきだなんて
口が裂けても体が裂けても自分が自分じゃなくなっても地球がまわることをやめても世界中のすべてが消え去って愛しか残らなくなっても
言えない
でもそれでいい
それがいい
きみがしあわせならそれがいい
きみがかなしい思いをして布団に入ることがなければそれがいい
きみが目の前のことに純粋に感動できるならそれがいい
きみがいればそれがいい