howdoyoufeel

好きな人と 好きな場所で 好きな服で 好きな声で

夕列車で行こう

夏の夕方

電車に乗って帰る

ボックス席の通路側に座る

となりの人を気にしつつ

空をみる

 


ちょうど暗くなってくる頃

電車の蛍光灯の方が

空のあかるさよりも強く

外をみているのに

となりの人と窓越しに目が合う

互いに若干の気まずさが生まれる

スマートフォンに目をやる

 


はっと思い

外に意識を向けると

発車駅付近のビル群はとうに遠ざかり

あまりにも美しい夕やけが

電車をつつんだ

 

 

みんな外をみている

となりの人の目の色がかわる

斜め前の人の気持ちがうごく

今ならばいえるだろう

そんな風に

 


この電車はたぶん

次の駅を見失っている

あるいは

そう見せかけている

 

 

停めたくないだけさ