2019-03-04 夕列車で行こう 夏の夕方 電車に乗って帰る ボックス席の通路側に座る となりの人を気にしつつ 空をみる ちょうど暗くなってくる頃 電車の蛍光灯の方が 空のあかるさよりも強く 外をみているのに となりの人と窓越しに目が合う 互いに若干の気まずさが生まれる スマートフォンに目をやる はっと思い 外に意識を向けると 発車駅付近のビル群はとうに遠ざかり あまりにも美しい夕やけが 電車をつつんだ みんな外をみている となりの人の目の色がかわる 斜め前の人の気持ちがうごく 今ならばいえるだろう そんな風に この電車はたぶん 次の駅を見失っている あるいは そう見せかけている 停めたくないだけさ