howdoyoufeel

好きな人と 好きな場所で 好きな服で 好きな声で

2020-01-01から1年間の記事一覧

ゆうべのふたり

ゆうべのふたりは どこかやわらかく とりとめもなく ケイトウの触り心地に甘えて すべりおちてゆく こわくはないから たっぷりと見つめあって レコードと花梨色の灯りで 遠くのあの日を忘れてしまう たとえばいずれ ひとつひとつの 形はなくなっても 思いは…

うたうきみ

さらさらと なびくかぜ たおやかに ゆれるかみ うっとりと こゆびたて あまつさえ うたうきみ やみのなか なみのなか はうように ぬうように てんとちも さかさまの みにくさで うたうきみ せいれつな みずうみの まんなかで いきをする ぴんとはる くうきだ…

傷口の消毒で触れたきみの足指のやわさを忘れずにいる

短い歌と書いて短歌と読む。 岡野大嗣に出会って短歌にはまったことを父に話したら「むかし短歌にのめり込んでいたことがある」と言われた。大学時代に強化合宿なるものに参加し、仲間と批評し合いながら言葉を紡いできたと語る父は、はじめて見る顔をしてい…

バスキンロビンス行こうか か、カシス す? スープ プライス 相撲 ウグイス スイカ カレーライス スライス スクールバス スリランカ行きたいです スリジャヤワルダナプラコッテわかります? スリランカの首都です 素晴らしい今度一緒に行きましょうす

金曜日の夜

金曜日の夜 どこにも繰り出さずに ヴォリュームを絞ったアンビエントをかけながら 積んでおいた本を、愉しく読む つめたくて気持ちがいい 深海の栞をはさみながら だれにも知られずに 夜をすり抜けてゆく

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つやつやしたブローチを 大事そうに握って 光の方へ駆けていったあの子 いちばんに溶けるにおいは 星の砂と一緒に閉じ込めたから もうだれのものでもないよ 綺羅星のはじっこに触れられそうな 夜と明け方のあわいに 心がすこしだけ浮いたなら 忘れることない…

家路

帰りたいのに 帰りたくない あの夕焼けが ぼくを染める 帰りたいのに 帰りたくない 流れる音楽を 止めたくない 帰りたいのに 帰りたくない ご飯の匂いは 泣いてしまう 帰りたいのに 帰りたくない いまこのとき 忘れたくない

なつめくん

なつめくん いっつもクリーム色のトレーナーを着ているね なつめくん コーラとポテトばっかり食べるのにガリガリね なつめくん 突然口づけをしたあと「うるせー」はないでしょう なつめくん タバコの吸いすぎはよくないからね なつめくん なつめくん どうし…

T・T・T

たっぷり・ティー・タイム たっぷりの紅茶には お砂糖はほんのすこし レモンをひとしぼり それだけでいいの 銘柄は気にしないわ あとはおしゃべりが おいしくさせてくれるものね

ボンボンのケーキ

無性に憧れるものに、ボンボンのケーキがある。 ボンボンのケーキとは、名古屋にある『ボンボン 喫茶部』という昔ながらの喫茶店で出しているケーキのことだ。 なぜボンボンのケーキがいいかというと、理由は2つだ。 まず1つ。なんと言っても、種類が桁違い…

花屋

とくに理由はないけれど 自分に花をあげたくなった しかし駅前の色鮮やかなあそこでは なんとなく買いづらそうで気が引ける 帰り道にそんなことを考えていたら たまにふらっと立ち寄る喫茶店のとなりに 花屋があったことを思い出した スピッツの恋のはじまり…